税理士事務所として開業する際、オフィス選びは重要ですよね。
「賃貸事務所は費用がかかりすぎる」「レンタルオフィスで開業できるのか分からない」と悩んでいませんか?
本記事では、税理士事務所を開業する際にレンタルオフィスを利用するメリット・デメリットを解説します。
さらに、おすすめのレンタルオフィスを5つご紹介します。
目次
税理士事務所の開業はレンタルオフィスでできる?
税理士事務所を開業する際、一般的には賃貸事務所を契約します。自宅で開業することも可能ですが、プライバシーや信用の観点から避けた方がいいでしょう。
賃貸事務所は敷金や礼金などの初期費用がかかります。ゼロからインターネット回線などの設備や機能を揃える必要があるため、莫大なコストもかかってしまいます。
一方、レンタルオフィスは、はじめから設備や機能が揃っているので、賃貸事務所よりも初期費用を抑えられます。
では、実際にレンタルオフィスを利用して税理士事務所として開業できるのかを解説します。
レンタルオフィスでも開業可能
レンタルオフィスとは、インターネット回線や一定の家具などが揃っている貸し事務所で、専用スペースだけでなく共用のスペースも利用できます。
では、レンタルオフィスで税理士事務所として開業できるのでしょうか?
結論から言うと、レンタルオフィスでも税理士事務所として開業できます。
レンタルオフィスは法人登記が可能なことが多いです。そのため、税理士事務所として開業する際の登記がスムーズに行えます。
バーチャルオフィスでは開業不可能
バーチャルオフィスとは「ビジネスをする際に必要となる住所や電話番号を利用できるサービス」で、実際に業務を行うスペースはありません。
ではバーチャルオフィスはレンタルオフィスと同様に、税理士事務所として開業できるのでしょうか?
結論から言うと、バーチャルオフィスでは税理士事務所として開業できません。
なぜなら、税理士事務所として営業申請する際には、事務所室内の写真(=物理的な作業スペース)が必要だからです。
しかし、例外としてバーチャルオフィスの住所と合わせて自宅の一部を事務所とする場合は、税理士事務所として開業できます。
レンタルオフィスで税理士事務所を開業するメリット
では、レンタルオフィスを税理士事務所として利用するメリットは具体的にどんなものでしょうか?
ここでは、下記のメリットについてそれぞれ解説します。まずは表をもとにレンタルオフィス、賃貸オフィス、自宅のメリットデメリットを比較してみましょう。
メリット | デメリット | |
レンタルオフィス(シェアオフィス) |
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賃貸オフィス |
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自宅 |
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ここからは、レンタルオフィスのメリット・デメリットについて詳細を記載します。
スピーディーに開業できる
税理士事務所としてレンタルオフィスを利用するメリットには、すぐにオフィスを立ち上げられることが挙げられます。
先述したように、賃貸事務所はゼロから設備を揃える必要があり、時間とコストがかかります。
一方でレンタルオフィスは、ある程度の家具が既に揃っているため設備を揃える必要はありません。そのため、賃貸事務所に比べて早くオフィスを立ち上げられます。
好立地な住所を使用し「信用力」を得られる
一般的にレンタルオフィスは、ビジネスの中心地や駅近などアクセスしやすい場所にあります。
そのため、アクセスが便利なレンタルオフィスを利用することで集客にも繋がります。また、好立地な住所を使用することでクライアントからの信用・信頼を得やすいでしょう。
レンタルオフィスはアクセスのいい場所でも、比較的リーズナブルな価格で利用できます。それぞれのレンタルオフィスによって多少異なりますが、1名あたり月額3〜10万円程度で利用できます。
一方、アクセスがいい場所で賃貸事務所を契約すると、数百万〜数千万円程度のコストがかかってしまいます。
多種多様な設備が整っている
賃貸事務所を契約した場合、ゼロから机や椅子・コピー機などのOA機器・来客用のお茶・文房具など様々な家具や設備を揃える必要があります。
また、状況によっては内装工事をすることもあり時間もコストもかかります。
しかし、レンタルオフィスの場合ははじめから机や椅子・ホワイトボードなどのオフィス備品が整っていることが多く、ゼロから揃える必要がありません。
また、高級レンタルオフィスでは、秘書サービスもあり、作業代行や電話取次ぎなどを行ってくれるところもあるでしょう。
レンタルオフィスで税理士事務所を開業するデメリット
税理士事務所を開業する際にメリットが多いレンタルオフィスですが、もちろんデメリットもあります。
ここでは、レンタルオフィスを利用するデメリットを2つ解説します。
費用負担が大きくなる可能性もある
レンタルオフィスは、初期費用が安く、坪単価が高い傾向があります。一方、賃貸オフィスは保証金なども必要であるため、初期費用が高く、坪単価が安い傾向があります。
個室は狭くても問題なく、来客は会議室などで行う、と決めていれば、レンタルオフィスのほうが合計の費用は安くなるでしょう。また、レンタルオフィスには、電話代行や郵便受取対応など様々なオプションがあります。
しかし、便利だからといって不用意にオプションを付けすぎると、賃貸事務所よりも月額費用負担が大きくなる可能性もあります。
レンタルオフィスを契約する際はオプション料金をしっかり調べ、総額の費用を賃貸事務所と比較することが大切です。また「本当に必要なオプションなのか」を冷静に考えオプションの契約をすることをおすすめします。
セキュリティ対策が厳重ではないオフィスもある
レンタルオフィスは、受付スタッフが常駐していないオフィスもあります。
受付スタッフが常駐していない場合、入退室の管理ができないのでセキュリティ対策が十分ではない可能性があります。個室には鍵があり、共用部には監視カメラがついているオフィスは多いですが、念のため入居するときのセキュリティ状況はチェックしましょう。
また、室内に金庫などを持ち込み、大切な書類などを保管しておくとよいでしょう。
さらに、レンタルオフィスの共用スペースで作業をする場合、PCやスマホの画面が他人に見られる可能性があり注意が必要です。
また、オンラインでミーティングする際は、他人に内容を聞かれないように共用スペースではなく専用スペースを利用するなどの工夫が大切でしょう。
レンタルオフィスを税理士事務所に選ぶ際のポイント
では、レンタルオフィスを利用して税理士事務所として開業する場合は何を基準に選べばいいでしょうか?
ここでは、数ある中から税理士事務所として利用するレンタルオフィスを選ぶポイントを5つ解説します。
他の士業の方の契約があるか
他の士業の方の契約があるかどうかは大きな判断材料になります。他の士業の方が継続して入居されているオフィスは、ビジネス上問題がなかったと推測できるでしょう。
実際弊社でオフィスを紹介する場合も過去に税理士の方に評判が良かったオフィスを中心に紹介いたします。内見時に看板をみることで、士業の方が入居しているかどうかは、確認することができるでしょう。
さらに、税理士仲間との交流の場としても役立ちます。同じ施設内には他の税理士や専門家が集まっていることがあり、情報共有や相談の場として利用できます。知識や経験の相互補完を図りながら、自身の業務スキルを向上させることができるでしょう。
立地・賃料
レンタルオフィスを契約する際、1番初めに考えるべきポイントが立地と賃料です。
レンタルオフィスの立地は、信用力や自身の通いやすさだけでなく「集客に繋がりやすい場所=顧客が集まりやすい場所」をリサーチする必要があります。
同様にレンタルオフィスの賃料も契約するうえで重要なポイントです。
単純に価格だけで決めるのではなく、設備やサービスとのバランスを考え「妥当な値段なのか」を検討するのがベストです。
サービスの充実性
レンタルオフィスはサービスが充実している点が特徴のひとつです。
一般的なレンタルオフィスでは専用スペース・インターネット回線・固定電話・空調など、仕事をするうえで基本的な機能を無料で利用できるサービスがあります。
また、レンタルオフィスによっては電話代行や来客対応など様々な有料オプションがあります。電話代行を活用することでコア業務だけに集中でき、業務の効率化が図れます。
住所利用・法人登記ができるオフィス
税理士事務所として開業する際は、代表者名や所在地などを法務局に届ける法人登記が必須です。
一般的なレンタルオフィスでは、法人登記の所在地に住所を利用することができます。しかし、法人登記への住所利用には別途料金が発生するレンタルオフィスもあるため事前に確認しておきましょう。
セキュリティレベルが高い
レンタルオフィスは個人から企業まで、様々な人が出入りします。そのため、個人情報を扱う税理士が事務所として利用する際は、セキュリティレベルが高いレンタルオフィスを選ぶ必要があります。
例えば、下記の3つはレンタルオフィスのセキュリティレベルを確認するうえで特に重要なポイントです。
- オートロックが導入されているか
- 警備会社と契約しているか
- 専用スペースは施錠できるか
また、会議室の防音性や防犯カメラ設置の有無なども確認しておくと安心です。セキュリティレベルが高いレンタルオフィスは社会的信用に繋がり集客や成約に影響します。
契約期間
通常レンタルオフィスの場合、最低1年~契約可能なオフィスが多いです。契約年数が増えれば増えるほど、賃料は安くなる傾向があります。ただし、開業の頃はビジネスの変化が予測できないため、1年未満の短期での退去ができるかどうかもチェックしておきましょう。
おすすめのレンタルオフィス5選
リモートワークが一般的になったことで、レンタルオフィスの数も増えています。選択肢が多くなった分「レンタルオフィスを利用したいけど、どれを選べばいいか分からない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
ここでは、税理士事務所として開業する際におすすめのレンタルオフィスを5つ紹介します。ぜひレンタルオフィスを選ぶ時の参考にしていただけたら幸いです。
エグゼクティブセンター
まずひとつ目はエグゼクティブセンターです。
エグゼクティブセンターは、日本だけではなく世界の15市場に拠点があります。日本では、東京・横浜でレンタルオフィスを展開しています。
弊社では、多数の士業の方のお問い合わせがありましたが、士業の方に非常に人気なオフィスです。人気の理由として、どの拠点も高級感があり、A級ビルグレード内にあります。防音性などもすぐれていて、静かで雰囲気がよいため、お客様を呼びやすいという点があげられます。また、受付スタッフが郵便物の受け取りもしてくれるので書類での仕事が多い税理士さんの手間がなくなるのも魅力の一つです。
東京には8つのレンタルオフィスを構えているので、ニーズにあった場所で税理士事務所の開業が可能です。駅直結の施設も多く、好アクセス・好立地のレンタルオフィスです。
ビジネスエアポート
ビジネスエアポートは都内に19箇所のレンタルオフィスを構えています。ビジネス街を中心に展開されているので、アクセスしやすい点が魅力です。
例えば「ビジネスエアポート品川」はビジネスマンが多い品川駅直結のビルで、1名用の固定席から利用人数に合わせて様々なタイプのレンタルオフィスを利用できます。
空港のラウンジをコンセプトにしており、過ごしやすい落ち着いた雰囲気の内装で集中してお仕事できるでしょう。
また、受付にはコンシェルジュが常駐しています。さらに、どのプランでもビジネスエアポート全拠点の共用部が利用できるのは強みです。
ゲストは3名2時間まで毎日無料で招待できます。
天翔オフィス
天翔オフィスは都内に20以上のレンタルオフィスを構えています。全てのレンタルオフィスが駅から徒歩5分以内の好アクセスです。
天翔オフィスは他のレンタルオフィスと比較して、利用料金が圧倒的に低いのが特徴です。一般的なレンタルオフィスは月額5〜8万円程度が相場ですが、天翔オフィスは3〜5万円程度とリーズナブルです。会議室も無料で利用できるので、コスパのよさは圧倒的です。
また、全てのオフィスが「個室タイプ」なのでセキュリティレベルが高いと言えます。
天翔オフィスは、士業の方、宅建業、人材紹介業の方などが多く入居されています。いずれも個人のプライバシーに配慮した設備基準があり、それらをクリアしているのが天翔オフィスです。
弊社では、人材業、宅建業開業で天翔オフィスをご紹介しており、完全個室で設備基準が問題ないと安心していただけております。そういった安心感もあり、税理士の方にもおすすめです。
また、1年以内で短期解約が可能なので、試しにつかってみるのもよいでしょう。
リージャス
リージャスは世界各国に3,400拠点あり、日本国内には170拠点以上のレンタルオフィスを構えています。どの拠点のラウンジも利用できるので、税理士さんの中でも出張が多い方にはおすすめです。
リージャスのレンタルオフィスは大型ビルが多く、管理体制がしっかりしているので安心して利用できます。
また、世界各地にあるリージャスビジネスラウンジを利用できる点が大きな特徴です。ビジネスラウンジでは、フリードリンク・フリーWi-Fiを利用できます。
The Hub
弊社調べで、最もリーズナブルなレンタルオフィスです。The Hubは直営・提携施設を合わせて日本国内に733もの施設を持っています。首都圏の好立地や駅近にレンタルオフィスを構えており、利用しやすい価格帯が特徴です。
また、セキュリティレベルの高い「完全個室の専用オフィスプラン」や、機能性に優れた「共有オフィスプラン」など4つのプランがあります。用途に合わせてレンタルオフィスを利用できるのは魅力的ですよね。
全拠点プランでは契約拠点以外のレンタルオフィスも全て利用できるので、出張など様々なビジネスシーンに対応できます。
フリーレントを付ける場合は、契約期間の縛りもあるので注意しましょう。
まとめ
本記事では、レンタルオフィスを利用して税理士事務所として開業するメリット・デメリットを解説しました。メリット・デメリットを把握しつつ、ビジネスの状況によって判断してみましょう。
信頼性、費用面といったビジネス観点だけでなく、レンタルオフィス内には、他のビジネスパーソンとの交流の場として利用できる共有スペースが提供されていることがあります。税理士同士の情報共有やネットワーキングの機会を得ることができ、業務の幅を広げることができるので、開業時には検討してみるとよいでしょう。長い目で良い仲間に出会えるかもしれません。
ご紹介した5つ以外にも様々なレンタルオフィスがあるので、ご自身の条件に合うレンタルオフィスがきっとみつかります。
ぜひ本記事を参考にして、税理士事務所として開業するレンタルオフィスを検討してください。