人材紹介業・有料職業紹介はレンタルオフィスで開ける?事務所要件を徹底解説

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人材紹介事業をおこなう際に、第一に超えるべきハードルが厚生労働大臣からの許認可です。一昔前までは「事務所要件が新規参入の障壁になっている」という声もありましたが、法改正によってレンタルオフィスでの申請も可能になりました。今回は、そもそも人材紹介事業の許可基準がどんなものなのか、またレンタルオフィスで開業する場合の注意点に焦点を当てて解説していきます。

そもそも人材紹介事業の許可基準における「事務所要件」とは?

「許可基準」という言葉からもわかる通り、人材紹介事業者は事務所要件を含む8つのハードルをクリアしなければなりません。次の8つの要件を満たしていることを、事前申請によって認められなければならないのです。

  1. 事業所の要件:有料職業紹介事業をおこなう場所など、事業所に関する規定
  2. 資産の要件:直近の決算における基準資産額に関する規定
  3. 事業主の要件:人材紹介業を営むための属性にに関する規定
  4. 職業紹介責任者:職業紹介責任者として相応しいかを規定
  5. 人情報管理体制:オフィスの構造など、適切に情報を扱うための規定
  6. 業務の運営に関する規程:適正に職業紹介事業を運営する上で必要な規定
  7. 適正な事業運営に関する要件:職業紹介事業を適正に運営するための規定
  8. 手数料表に関する規定:職業紹介事業における手数料関するための規定

職業安定法改正でレンタルオフィスでの人材紹介が可能に?

一昔前までは、「事務所要件が新規参入の障壁になる」という声もありましたが、2017年の法改正によってレンタルオフィスでの申請も可能になっています。具体的な変更点は次の通りです。

 

変更前

変更後

周辺環境

周辺に風俗などの店舗がないなど、適切な場所に事務所があること

変更なし

名義人

事務所の所有者・賃貸の名義人と、事務所の人材紹介事業者の名義が同一であること

変更なし

個室の面積

20㎡以上の面積を有していること

面積規定なし。職業紹介の適正な実施に必要な構造・設備(個室の設置、パーティション等での区分)を有すること。

プライバシー

求人者、求職者の個人的秘密を保持し得る構造であること

・他の求職者又は求人者と同室にならずに対面の職業紹介を行うことができるような措置(予約制、貸部屋の確保等)を講ずること。

・面談スペースと執務スペースもそれぞれ個人情報が守れる構造になっていること

誤認識表現

求職者が職業安定機関等公的機関と誤認しない

変更なし

大きく変更になった点は、個室の面積とプライバシーの2箇所です。どこに事務所を構えるかにもよりますが、アクセスが良いうえに20㎡以上の面積があるオフィスは希少であり、それなりの予算が必要でした。その点、規制緩和後は面積の規定がなくなり、パーテーションによる区分によるスペースも認められました。2017年の法改正によって、「少しでも予算をおさえたい」という事業者が手を上げやすくなったのです。

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人材紹介業をレンタルオフィスで開業する際のチェックポイント

ここからは、実際に人材紹介事業をレンタルオフィスで開業する際のチェックポイントを解説していきます。2017年の法改正によって、レンタルオフィスでの開業も可能になりました。ただし、規定が緩和されたものの、満たすべき基準がある点には注意が必要です。

共有ラウンジと個室があるか

人材紹介業をレンタルオフィスで始める際に留意したい1つ目のポイントが、「オフィス内に共有ラウンジと個室があるか」です。一般的な仕事であれば、作業をするためのスペースがあれば問題ありませんが、人材紹介業ではプライバシーの観点からそもそも個室が必要になります。

面談のために何部屋も用意する必要はなくなりましたが、「求職者同士が同室にならないこと」という事務所要件を満たす必要があります。完全個室が難しいようであれば、180センチ以上のパーテーションの用意し、周りから見えなくする必要があります。

また、共有ラウンジがある場所で求職者をリラックスさせましょう。執務室しかなく、いきなり個室に呼ばれると警戒する方もいらっしゃいます。

共有ラウンジで、求職者にお待ちいただいたり、飲み物を提供し、リラックスしていただき、会社への印象をよくすることができるでしょう。

アクセスの良さ

事務所要件には盛り込まれていませんが、「アクセスの良さ」もレンタルオフィスを選ぶ際のポイントです。アクセスの良さはそのまま集客に直結するため、できるだけ求職者のストレスにならない場所を選びましょう。

在職中の求職者のことを考え、「極力オフィス街の近くにする」といった工夫を凝らすことで、レンタル代に見合った集客を期待できます。

オフィスの安全性・清潔感

アクセスの良さ同様に、事務所要件に記載がないものの注意しておきたいポイントが、オフィスの安全性と清潔感です。「掃除を徹底する」などの工夫でホスピタリティを上げることも可能ですが、求職者の期待を下回らないようなオフィスを選ぶことも重要です。

オンライン会議がしやすいか

次の項目で詳しく解説しますが、これからはオンラインに適した環境であることも大切です。事業者が個人でもっているツールだけでなく、オフィスにWi-Fiやプロジェクターなどの機器が備わっているかも確認しておきましょう。

オンラインでの会議をやりやすくするだけで、事務所要件におけるプライバシー保護の役割を果たしつつ、求職者の都合に柔軟に対応できる環境を整えられ、一石二鳥の施策と言えます。

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オンラインで人材紹介をする場合のオフィス要件は?

人材紹介業をオンライン専門で始めたい方は、「オフィスの要件を満たしていなくても許可が下りる可能性がある」と認識しておきましょう。

働き方の変化とともに、ビデオ通話やチャットの使用のみで人材紹介業を始める事業者が増えています。まだ一部ではありますが規定が緩和されるケースも見受けられるようになってきました。

ただし、「事務所要件を満たしていなくても良い」というわけではなく、特例であるという点には注意が必要です。これからオンライン専門の人材紹介業を始める方は、事業計画書など資料を持参し、厚生労働省の需給調整課に相談してからの許認可申請をおすすめします。

【Q&A】よくあるレンタルオフィスで人材紹介業を始める際の質問

最後に人材紹介業を、レンタルオフィスで始める際によくある質問に回答していきます。厳密には、「相談先によって回答が異なる」というケースも発生しています。

SOHOでも人材紹介業を開ける?

SOHOでも人材紹介業を始めることができます。ただし、SOHOには「不特定多数の入室を禁ずる」といったルールがあり、事業を営むことに向いていないケースも少なくありません。SOHO側に厳格なルールがなく、事務所要件を満たしていれば、人材紹介業をスタートできます。

レンタルオフィスでも認可が下りないことはある?

今回取り上げた事務所要件を満たしていたとしても、レンタルオフィスでは認可が下りないこともあります。そのため、期限を絶対にずらせない場合には、事前に厚生労働省の需給調整課に相談することをおすすめします。規制緩和からさほど時間が経っていないため、想定外のケースがあることも頭に入れておきましょう。

まとめ

この記事では、人材紹介業を始めるための要件と規制緩和を取り上げ、レンタルオフィスでの開業が可能かを解説してきました。法改正によって「事務所用件」が緩和されたことは確かですが、まだまだ事例が少なく、例外がある発生するケースもあります。しかし「レンタルオフィスで予算を抑えながら、オンライン専用の人材紹介業を始める」といった形態の事業をスタートさせることも可能です。