コワーキングスペースで登記するメリット・デメリット・費用・手順

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スペースをシェアするオフィスでは登記ができないと誤解されがちですが、コワーキングスペースでも登記は可能です。

この記事では、登記について、コワーキングスペースでの登記のメリット、デメリット、費用、手順、どんな人が向いているかを説明します。

これを読めば、コワーキングスペースで登記し、安心して新規事業を開始できるようになります。

コワーキングスペースは登記ができる?

コワーキングスペースの住所を会社の住所に設定すれば、登記できます。

ただし、登記を許可していないオフィスもあるので注意してください。

また、登記できても、別途料金が発生する場合があります。

登記とは

登記とは、自分たちの会社について世の中に認めてもらうための仕組みです。

任意の制度ではなく、法律で定められています。

会社設立時、直ちに登記が必要で、遅れると過料を支払うことになりますから、注意してください。

登記すると登記事項証明書が発行され、正式に登記した証拠になり、対外的な信用が高まります。

銀行などから融資を受けやすくなるのがメリットです。

住所利用との違い

住所利用とは、コワーキングスペースの住所を、下記のような宣伝媒体に載せることを言います

  • 名刺
  • チラシ
  • パンフレット
  • ホームページ

利用者あてに届いた郵便物や宅配物を転送してくれるコワーキングスペースもあります。

また、自宅で業務している個人事業主などが、開業するためにオフィスの住所だけ利用して、実際に事務所は利用しない方法もあり、これが「バーチャルオフィス」です。

このように宣伝媒体に住所を載せるだけでは、実体がなく、顧客があまり信用してくれない場合があります。

それに対し、登記の場合は、コワーキングスペースの住所で、会社の所在地を公示します。つまり、会社は登記して初めて法人格を得ることができ、社会から信用を得られるわけです。

そして、安心した取引を円滑に行えるようになります。

登記は、単なる住所利用と比べると、社会的な信用の程度が全く違うのです。

コワーキングスペースで登記するメリット・デメリット

コワーキングスペースを利用して登記すると、いろいろなメリットがあります。

一方、いくつかのデメリットもあるので、その点も理解しておくことも必要です。

コワーキングスペースで登記するメリット

1) コスト削減
貸事務所と比べると、起業時の初期費用(敷金・礼金・仲介料など)やランニングコスト削減ができます。

2) 自宅住所を秘密にできる
自宅を拠点にした場合と比べると、コワーキングスペースならプライバシーが守れますし、ストーカー対策にもなります。

3) 信用力のある住所利用
低コストで一等地の住所を利用できます。顧客や銀行等に対する信用力が高くなり、雇用する際に良い人材を集めやすくなるのがメリットです。

4) 郵便物や宅配便の預かり
営業や商談で不在の時にも、配達物を預かってもらえます。コワーキングスペースによっては、転送してくれる所もあります。

5) 設備や機器が充実
新たに設備や機器を購入しなくても、予め備え付けられています。

6) 人脈が広がる
いろいろな業種の人が空間をシェアしているため、新しい出会いがあり、仕事につながるメリットもあります。

7)固定電話番号の使用
会社用の電話番号として、コワーキングスペースの固定電話番号を使えることがあります。

コワーキングスペースで登記するデメリット

1) 登記できない施設もある
利用する施設によっては、住所を登記に利用できない場合があります。契約時に確認が必要です。

2) 業種によっては登記できない場合がある
下記のような業種の場合、コワーキングスペースの利用では、許認可が下りないことがあります。

  • 古物商
  • 職業紹介所
  • 人材派遣業
  • 士業
  • 不動産
  • 探偵業
  • 建設業など

費用はいくらかかるの?

対象が株式会社の場合と、合同会社の場合では費用が異なります。

株式会社の場合は242,000円、合同会社の場合は100,000円です。

ただし、これは最低限の費用であり、他に実印作成費などの別費用もかかります。

株式会社の設立費用について

株式会社の設立費用(法定費用)は、242,000円かかります。
内訳は下記の通りです。

  • 認証手数料:50,000円
  • 謄本手数料:2,000円
  • 登録免許税:150,000円
  • 収入印紙代:40,000円

資本金額が2,140万円を超える場合は、資本金の0.7%分だけ登録免許税が上がります。電子定款の場合は、収入印紙代が不要です。

合同会社の設立費用について

合同会社の設立費用(法定費用)は、100,000円です。
内訳は下記の通りです。

  • 登録免許税:60,000円
  • 収入印紙代:40,000円

資本金額が857万円を超える場合は、資本金の0.7%分だけ登録免許税が上がります。電子定款の場合は、収入印紙代が不要です。

コワーキングスペースで登記するのにおすすめな人

フリーランスや個人事業主、リモートワーク中心の会社、スタートアップの企業などは、コワーキングスペースでの登記がおすすめです。

フリーランスや個人事業主

フリーランスや個人事業主が、自宅の住所を事務所として開業しようとする場合、賃貸だとできないことがたびたびあります。

こういった場合、自宅の代わりにコワーキングスペースの住所を利用すれば開業ができます。もちろん、会社化して登記する場合も同様です。

また、自宅で業務する場合は、光熱費等をどこまで経費扱いするか(家事按分)が問題になりますが、コワーキングスペースならその問題はありません。

リモートワーク中心の会社

リモートワーク中心の会社は、社員が自宅等で業務してもよいですし、気分転換でコワーキングスペースを利用できます。

また、打ち合わせや会議等、メンバーが直接面談する必要がある場合は、コワーキングスペースや、併設された会議室を利用可能です。

さらに、顧客との打ち合わせに、併設されている会議室の利用もできます。一般の貸事務所と比べると、コストがかなり抑えられます。

スタートアップの企業

スタートアップの企業の場合、初期費用やランニングコストを抑えたいことが多いでしょう。貸事務所と比べると、コワーキングスペースは低コストで事業を開始できます。

いろいろな業種の人がオフィスを利用しており、ラウンジスペースやイベントで知り合いになれます。

仕事のアイデアをもらえたり、ときには人材を派遣したりするなど、直接仕事につながることもあります。

登記するまでの4ステップ

登記の手順を4ステップに分けて説明します。

ステップ1:設立方法を選択する

まず、発起設立か募集設立かを選びます。発起設立は、会社設立時に、発起人が株式を全て引き受ける方法です。

募集設立は、複数の人に株主になってもらいます。発起設立のほうが簡単であり、こちらを選択する人が多くみられます。

ステップ2:定款を作成する

定款とは、会社の目的・組織など基本的な事項を定めたもので、会社設立時には必ず作成しないといけません。株式会社の場合は、公証市場で認証されます。

定款には、必ず記載しなければならない絶対的記載事項があります。

  • 事業の目的
  • 商号
  • 本社所在地
  • 資本金額
  • 発起人の氏名と住所

これに対して、記載しなくてもよいが、記載していないと効力がなくなる事項(株券を発行しますという表明など)を含む相対的記載事項もあります。

さらに、違法性がなければ、任意に記載できる任意的記載事項(役員報酬に関する事項など)があります。

ステップ3:出資金の払い込みをする

誰がいくら払い込んだかを明瞭にします。

発起人設立の場合は、発起人名義で会社名の口座に払い込む必要があります。払い込みを証明する書類を登記所に提出します。

ステップ4:法務局へ登記を申請

ステップ1〜3の手続き後、法務局に登記を申請します。

必要なもの

  • 登記申請書
  • 定款
  • 登録免許税納付用台紙
  • 発起人決定書
  • 代表取締役の就任承諾書
  • 取締役の就任承諾書
  • 監査役の就任承諾書
  • 取締役の印鑑証明書
  • 印鑑届書
  • 出資金の払込証明書
  • 登記すべき事項を記録・保存した記録媒体

さまざまな書類が必要ですので、詳細は法務局のホームページをご覧ください。

まとめ

コワーキングスペースでも登記できることを説明しました。

さらに、登記について、コワーキングスペースでの登記のメリット、デメリット、費用、手順、どんな人が向いているかを解説しました。

これで、コワーキングスペースで登記し、安心して新規事業を開始できます。