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コワーキングスペースの市場規模の動向を見るには
コワーキングスペースとは「共同で仕事を行う場所」という意味です。2022年3月現在、新型コロナウイルスの影響でリモートワークが主流になっていき、コワーキングスペースの需要も増加しています。
そんなコワーキングスペースの市場規模の動向を見る方法を解説します。
コワーキングスペースは「フレキシブルオフィス」の一種
まず、コワーキングスペースの市場規模を理解するにはコワーキングスペースとは何かを知る必要があります。
コワーキングスペースとは「フレキシブルオフィス」の一種です。フレキシブルオフィスは、企業で働く人やフリーランスまで幅広い層が使えるオフィス全体のことです。その中でもコワーキングスペースは個人のみではなく共同の場所で仕事ができるオフィスのことですね。
コワーキングスペースとフレキシブルオフィスの動向を探ろう
フレキシブルオフィスは「コワーキングスペース」のみではなく「レンタルオフィス」や「シェアオフィス」なども指します。
もちろん、フレキシブルオフィスの市場規模=コワーキングスペースの市場規模ではありませんが、フレキシブルオフィスの一種としてコワーキングスペースがある以上どちらの動向も探っていくべきでしょう。
コワーキングスペースの市場規模の動向
コワーキングスペースの市場規模の動向を知るために以下の3つの観点から見ていきます。
- コワーキングスペースの施設数推移
- コワーキングスペース施設数のエリアごとの傾向
- フレキシブルオフィス市場の動向
コワーキングスペースの施設数推移は増加している
‘‘ザイマックス「フレキシブルオフィス市場調査2021」によると、2015年に119拠点だった東京23区のフレキシブルオフィスは、2020年には571件に、2021年には少なくとも631件となると予想されています。‘‘
(引用元:国内外のワークプレイス関連サービスをマッピング 『世界のコワーキングサービス カオスマップ 2021年5月版』を公開|株式会社AnyWhereのプレスリリース (prtimes.jp))
とあるように、年々コワーキングスペースの需要に伴って施設の数が増えているようです。その大きな要因としてはやはり新型コロナウイルスの感染拡大によってリモートワークが広まったことです。
仮に今後新型コロナウイルスが収束しても、コストの削減や拠点を増やせるなどのメリットからもコワーキングスペースの需要は変わらず増加していくでしょう。
コワーキングスペース施設数のエリアごとの傾向
‘‘都道府県別にみると、2019年6月から2021年2月までの施設増加数は、東京都(124施設)が大きく目立つが、その周辺の神奈川県(39施設)、茨城県(18施設)、埼玉県(14施設)、千葉県(10施設)でも着実な増加をみせている。大阪府(36施設)の周辺である兵庫県(18施設)、京都府(10施設)、愛知県(18施設)の周辺である三重県(7施設)でも増えつつあり、大都市圏全域で増加している状況にある。また、宮城県、岡山県、広島県、福岡県など各地方ブロックの中心県でも増えつつある。‘‘
(引用元:調査研究レポート(第2回) 「日本のコワーキングスペースの拡大」(速報版) – 大都市政策研究機構 (imp.or.jp))
とあるように都市圏でのコワーキングスペース施設数の増加が目まぐるしくなっています。
フレキシブルオフィス市場は拡大の見通し
フレキシブルオフィスの市場は今後拡大していくことが予想されます。新型コロナウイルスの蔓延によってリモートワークが広まりました。
そうした要因以外にもフレキシブルオフィスが周知されていく中で、以下のようなメリットがあることがわかってきました。
- コストの削減
- 拠点の数を増やせる
- 各地から人材の確保が可能
このようなメリットから新型コロナウイルスが収まり、出社が可能になっていったとしてもリモートワークを行う企業は増え続けることでしょう。そこで活躍するのがフレキシブルオフィスです。ですのでフレキシブルオフィスの市場は今後も拡大していくことが予想されます。
コワーキングスペースの市場規模が増えている理由
コワーキングスペースの市場規模が増加している理由は大きく以下の4点です。
- フリーランスの人口増加
- ベンチャー企業の増加
- サードプレイとして会社員が活用
- 海外企業が参入して利用
それぞれ解説していきます。
フリーランスの人口が増えている
インターネットが普及してネットビジネスを行う方が増えたり、情報がたくさん出回るようになるにつれてフリーランスと呼ばれる、会社に属さずに仕事をする方が増えています。
このような方々は会社のオフィスが存在しないので基本的に自宅かカフェで仕事をする場合が多いでしょう。そこでWi-Fiや電源があり、回線も早いコワーキングスペースを利用する方が増えているようです。
ベンチャー企業増加に伴い利用されている
ベンチャー企業とはその会社独自の技術や視点を使い、今までにないようなサービスを提供する企業を指しています。
ベンチャー企業は新しいことに挑戦している会社なため、人数が少ない中小企業であることが少なくありません。
そこでオフィスを選ぶ際に賃貸で借りるのではなく、コワーキングスペースのような場所を利用する場合が多いのです。また、費用もおさえられるため、ベンチャー企業の利用が増えています。
サードプレイスとして会社員が利用している
会社員は基本的に会社に出社して仕事をするスタイルが基本でしょう。会社にいる時間以外にも仕事をする際には自宅やカフェを活用して仕事を行います。
自宅であると誘惑が多かったり、家族がいて集中できないなどの理由や、カフェだと回線が遅いなどの理由でコワーキングスペースをサードプレイスとして活用する会社員の方がいます。
また、会社員をしながら副業を行っている方も増えてきているのでそのような方も自宅やカフェ以外でコワーキングスペースを活用されています。
海外の企業が参入して利用している
海外では日本よりもコワーキングスペースは多くの方に認知され、利用されています。
海外の企業も日本に参入している現状を考えるとコワーキングスペースの需要が増加しているのはわかりますよね。
また、日本では会話しながら仕事ができる場所がなく、そうした数少ない場所として海外の企業に多く活用されています。
コワーキングスペース市場の今後の見通しは?
先ほどからコワーキングスペース市場は今後も拡大していくだろうと説明してきました。
その理由についてもう少し詳しく解説していきます。
- 賃貸借契約期間の長期化
- リモートワークの増加
この2点です。
賃貸借契約期間の長期化により需要が増える
物件を賃貸で借りる時はほとんどの場合契約期間が2年です。契約を行っている期間が終わる前の限られた期間までに契約を更新するのか退去するのかを決めなければいけません。
しかし、会社を経営していると思いもよらぬできごとがあり、2年以内に解約したいことも少なくはないでしょう。2年以内に契約するときは解約金が必要になるケースがあったり、手続きが面倒であったりすることが少なくありません。
そこで短期間からでも借りられるコワーキングスペースの需要が増加しています。
リモートワーク増加が、コワーキングスペースの利用を後押しする
本記事でも何度か触れてきましたが、新型コロナウイルスによってリモートワークが増加しています。
このような状況になると自宅で仕事をせざるを得ないことになってしまいますが、自宅だと集中できない要因が複数あるのでコワーキングスペースを活用する方が増えています。
新型コロナウイルスの感染拡大が収まる見込みがないので、リモートワークの際にコワーキングスペースを利用する方はまだまだ増えそうですね。
まとめ
本記事ではコワーキングスペースの市場規模について解説していきました。
新型コロナウイルスによって変わった働き方に対応できるコワーキングスペースの需要はまだまだ拡大していくことでしょう。
それぞれの時代に合った考え方を身に付け、時代に合った働き方を模索していきましょう。