士業の開業や会社を起業するにあたって、オフィス選びは重要ですよね。
近年では、賃貸オフィスをはじめレンタルオフィスやシェアオフィス・バーチャルオフィスなど多くの選択肢があり、どれが自分に最適なのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか?
この記事では、レンタルオフィスとバーチャルオフィスの違いを比較し、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ぜひオフィス選びをする際の参考にしてみてください。
目次
レンタルオフィスとバーチャルオフィスの違い
レンタルオフィスとバーチャルオフィスの違いは、主に作業場所があるか無いかという点です。
レンタルオフィスとは、業務に必要な机や椅子など基本的な設備が整っている作業場所を借りることができるサービスです。契約後すぐに事務所として稼働でき、賃貸オフィスよりもコストを低く抑えられます。
バーチャルオフィスとは、事務所としての作業場所を借りずに事業用の住所や電話番号などの基本的な情報を格安で借りることができるサービスです。
事業を始める時は、登記したり銀行口座を開設したり郵便物を受け取る際の、所在地情報が必須です。自宅をオフィスとして使う場合、バーチャルオフィスを利用すると自宅住所を公開しなくてよいため、個人情報に付随するトラブルを避けることができます。
レンタルオフィスは事務所として作業できる場所であり、バーチャルオフィスは作業場が別にあり住所情報だけを取得したい場合に利用するという点が、2つの大きな違いと言えるでしょう。
仮想空間に設置されたオフィスもバーチャルオフィスといいますが、今回は住所や電話番号の貸し出しを行うバーチャルオフィスに焦点を当てて説明していきます。
レンタルオフィスのメリットとデメリット
ここからは、レンタルオフィスのメリットとデメリットを解説していきます。それぞれの特徴をしっかり把握して、オフィス選びの参考にしましょう。
レンタルオフィスのメリット
レンタルオフィスのメリットは、低コストで一等地にオフィスを構えることができる点です。初期費用・ランニング費用ともにリーズナブルで、早ければ契約から2週間で入居・稼働することができ、スピーディーな開業が可能という特徴があります。
必要最低限のオフィス家具やインターネット、電話などの通信機器がそろっている点も魅力のひとつです。契約してから間取りにあったオフィス家具を買い揃えたり、回線開通工事したりする時間やコストを削減できます。
また賃貸オフィスと比べ、事業の状況に合わせて気軽に移転できるといった、融通が効く点もメリットです。初めて開業する人や小規模事業から開始する人に適したなオフィスサービスと言えるでしょう。
レンタルオフィスのデメリット
レンタルオフィスのデメリットは、プライバシーを確保しにくいことです。
レンタルオフィスは主に個室タイプ・半個室タイプ・共有スペースに分けられます。個室タイプでも防音設備がされていなかったり壁が薄かったりすると、話し声や電話応対の内容が外部に伝わり、個人情報漏洩に繋がる恐れがあります。
複数の企業が利用しているため、他社との距離が近い点も不安要素です。士業のなかには法人登記の条件として、玄関から他社の前を通らずまっすぐ自分のオフィスまで行けることを条件にしている業種もあります。オフィスが他社と隣接している場合は、プライバシーを厳守しにくいと判断され法人登記が認められないこともあるので、注意が必要です。
また作業場所が限られているため、備品・在庫が増えると置き場所に困る点もデメリットのひとつです。資料が増えていくと新たな金庫や書庫が必要になったり、新機材を導入したい場合に、スペースが厳しいといった問題も考えられます。
活用できるサービス
レンタルオフィスで活用できるサービスは、オフィスによって異なりますが毎月の基本料金に組み込まれている無料サービスから、利用したいときだけ利用できるオプションの有料サービスまで、豊富にあることが特徴です。
<主な無料サービス>
- 登記・住所利用
- 電話・有線LAN・Wi-Fiなどの通信利用
- コピー機・FAX
- 常駐受付サービス
- 宅配ボックス
- 会議室
- 共有スペース
- 毎日の清掃
- ウォーターサーバー
<主な有料サービス>
- 郵便物の転送
- 裁断機・大型ホチキス
- シュレッダー
- ロッカー
- シャワーブース
- ホームページ作成
- 福利厚生サポート
- ビジネスコンサルタント
- 事業サポートサービス
オフィスによって利用できるサービスは異なるので、気になるサービスがある人は事前にチェックしてみましょう。
バーチャルオフィスのメリットとデメリット
ここからは、バーチャルのメリットとデメリットを解説していきます。それぞれの特徴を理解して、自分に合ったオフィスを選んでいきましょう。
バーチャルオフィスのメリット
バーチャルオフィスのメリットは、自宅住所の登録が必要ないためプライバシーを保護することができ、格安でオフィスの住所情報を借りられることです。自宅で作業をするスタイルのフリーランスや個人事業主におすすめと言えます。
大都市の中心部など好立地の住所を格安で借りられるので、名刺やホームページに記載する際も見栄えが良く、顧客の信頼を得るひとつの手段ともなるでしょう。
また現地に赴いての物件選びの必要がなく、物理的にオフィスを借りるときに発生する敷金・礼金・保証金などもかからないため、時間・コストともに削減できる点も魅力のひとつです。
作業場を確保していて、スピーディーに起業したい人に適した選択と言えるでしょう。
バーチャルオフィスのデメリット
バーチャルオフィスのデメリットは、すべての業種がバーチャルオフィスで開業できるわけではないことです。特定の許認可が必要な業種は、開業できない場合があるので注意が必要です。
バーチャルオフィスで開業できない主な業種は以下の通りです。
- 弁護士
- 司法書士
- 行政書士
- 税理士
- 社会保険労務士
- 税理士
- その他、士業と呼ばれる業種
これらの士業が開業する際は機密情報の取り扱いがあるため、実際のオフィススペースが必要となります。実際の作業場所(オフィス)と住所が異なるバーチャルオフィスは、士業開業の人には不向きと言えるでしょう。
またバーチャルオフィスは格安で住所を借りられるというメリットがありますが、それによって顧客に対しチープなイメージを与える可能性があるというデメリットもあります。実際に来客があった場合に対応できないという点も不安要素のひとつです。
活用できるサービス
実際に作業場所を持たないバーチャルオフィスですが、活用できる便利なサービスがあります。
<主な無料サービス>
- 登記・住所利用
- 固定電話番号利用
- 郵便物転送サービス
- 会議室の貸し出し
<主な有料サービス>
- 経理代行サービス
- 専門家アドバイス
- ホームページ作成
- メンター制度
また個室オフィスが利用可能なプレミアムバーチャルオフィスや、系列オフィスのコワーキングスペース、ラウンジが使い放題など、オフィスによってさまざまなサービスが充実していることが特徴です。
実際に作業場を持たないバーチャルオフィスですが、実際の住所の中の施設を利用できたりレストランが併設されていたりするオフィスは、来客対応の際には好印象です。バーチャルオフィスを借りる際は、事前にオフィスのサービスや情報を調べておきましょう。
レンタルオフィスとバーチャルオフィスの比較
次は、レンタルオフィスとバーチャルオフィスを比較してみましょう。それぞれにどんな特徴があるのか把握して、自分にふさわしいオフィスを検討しましょう。
コストの違い
レンタルオフィスの賃料は月額約5万円〜ですが、バーチャルオフィスは月額600〜1万円ほどです。また初期費用は、レンタルオフィスの場合は敷金・礼金・保証金含め約20万〜、バーチャルオフィスの場合は入会金・保証金のみで約1万円です。
前述のとおり、バーチャルオフィスは物理的なオフィスの貸し出しではないため、レンタルオフィスに比べると費用が格安な傾向があります。
立地の違い
レンタルオフィスとバーチャルオフィスの立地は、ともに好条件の物件が多いことが特徴です。
ビジネス街の一等地で交通アクセスが良く、顧客が通いやすい立地であるとともに、ハイブランドの住所によって、取引先の信頼獲得につながります。
バーチャルオフィスの場合は、来客の際に併設している会議室を利用することで、好立地というメリットを活かし、顧客に安心して利用してもらうことができるでしょう。
設備の違い
レンタルオフィスには、オフィス家具付きの個室オフィスや、共有スペースや会議室があります。インターネット環境も整っており、実際に仕事場として実用性が高い点が特徴です。
バーチャルオフィスの場合は、作業場所は主に自宅である利用者が多いため、事務所として利用する設備はありません。オフィスによっては会議室があったり、レンタルオフィス兼用ビルであったりすると、レンタルオフィスと同様な設備が利用できますが、基本的にバーチャルオフィスは住所を貸しているだけの建物と考えていいでしょう。
セキュリティの違い
レンタルオフィスの場合は、毎日複数の利用者や訪問者が訪れるためセキュリティが強固で、入り口はオートロック・受付が常駐している場合が多いです。またオフィスの個室ごとに施錠でき、壁やパーテーションには防音対策がされていることも特徴です。
バーチャルオフィスの場合は、レンタルオフィスと比べ作業場所としての利用が少ないため、セキュリティは自宅など実際の作業場所次第です。郵便物や手紙は届くので、ポストや宅配ボックスのセキュリティを重要視しましょう。
住所の実態
レンタルオフィスの場合は、住所だけでなく作業場所を借りるという特徴があります。毎日利用者が出勤するためのオフィスとして利用したり、取引先や訪問者を招いたりするような、様々な用途で使用されています。
バーチャルオフィスの場合は、住所登録する際の情報だけを借りるため、実際のオフィス空間は含まれないことが特徴です。実際の作業場所やオフィスは自宅であることが多く、借りた住所で作業できるわけではないことを把握しておきましょう。
住所利用サービス
レンタルオフィスの場合は、独立開業や会社設立の際の事務所としてほとんどのオフィスが住所登録をすることができます。とくに、弁護士・行政書士・税理士・社会労務士など士業の人から人気があることが特徴です。
バーチャルオフィスの場合は、開業時に住所登録できる業種が限られているため、インターネット販売や、営業のみの仕事の人など、特定のオフィスが必要なく行政から特別な許認可が必要ない業種に適していると言えます。
法人登記
レンタルオフィスの場合、多くの業種において法人登記が可能です。独立開業や会社設立時に事務所の住所登録が必要ですが、賃貸オフィス同様レンタルオフィスも法人登記ができます。
バーチャルオフィスの場合は、法人登記できる業種が限られているだけでなく、同一住所で同じまたは類似している法人名で法人設立することはできないので注意が必要です。登記をする前に法務局で類似の法人名が登記されていないか調べる必要があります。
その他のオフィスサービスとの違い
レンタルオフィスとバーチャルオフィスのほかには、どんなオフィスがあるのでしょうか?それぞれの特徴と違いを詳しく説明していきます。
シェアオフィスとの違い
シェアオフィスとは、基本的にレンタルオフィスのような個別契約できる専用スペースがなく、オープンな空間を複数の利用者でシェアするタイプのオフィスです。
席がフリーアドレス制になっており多くの人が利用できる環境のため、他オフィスと比べるとリーズナブルであることが特徴です。コピー機やFAXなど基本的な設備が整っているため、個人で作業する際には問題なく利用できます。
ただ人の出入りが激しいため、セキュリティには注意が必要です。またフリーWi-Fiを利用する場合は不正アクセスや情報漏洩の恐れがあります。
コワーキングスペースとの違い
コワーキングスペースとは、シェアオフィスのように席がフリーアドレス制でオープンな空間になっている点に加え、会議室やブース席など個別に契約できる席が設けられているオフィスです。
レンタルオフィスやシェアオフィスと比べ、作業をするだけでなく、利用者同士の交流(Co Working=共同で仕事をする)が積極的に行われ、ビジネスチャンスに繋がるコミュニティを持てることが最大の特徴です。
ただシェアオフィスとコワーキングスペースの定義が厳密に区別されているわけではないので、ほぼ同義で扱われることが多い傾向にあります。
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まとめ
今回は、レンタルオフィスとバーチャルオフィスのメリット、デメリットとそれぞれの特徴を比較したものを解説してきました。
起業や独立開業の際には、オフィスの設置が不可欠です。オフィスの立地や住所によるブランド力は、業績に少なからず影響します。顧客の目線で考えるとともに、自身のモチベーションアップにも繋がる物件を見つけることが大切です。
それぞれの特性を理解し、自分の理想とするビジネススタイルに合ったオフィスを探していきましょう。
参考サイト:不動産テックラボ