コワーキングスペースを出店すると補助金が!?補助金のもらい方を解説

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コワーキングスペースの出店を考えたとき、課題となるのが金銭面です。場所の確保や設備の充実感を確保するには、大きな負担がかかってしまうでしょう。

できるだけ負担を減らしたいと考えたとき、役立つのが「補助金」です。

今回は、コワーキングスペースを設置するとき活用できる補助金について解説します。

コワーキングスペースを出店したら補助金が出る場合もある!

コワーキングスペースを出店するためにかかる金額は、出店場所や施設の大きさ、設備の充実度合などで異なります。

費用の全てを自分で捻出するとなると、大きな不安を感じますが、補助金を活用できるケースもあるのです。

利子や返済の必要なく運営に集中できる点は、銀行からお金を借りるときと比べ、大きなメリットになるでしょう。

事業の種類や自治体によって、さまざまな補助金があり、額も違います。

コワーキングスペースの出店を考えている自治体にはどのような補助金があるか、一度調べてみると予算との兼ね合いも掴みやすくなるはずです。

コワーキングスペースに自治体が補助金を出すわけ

コワーキングスペースを設置するには、ある程度の費用が必要になります。

私たちにとって、補助金を受け取れることは、言うまでもなくメリットです。しかし、自治体にとって補助金は、大きな支出と言えるでしょう。

それなのになぜ、自治体は補助金援助をしてくれるのでしょうか。

企業を自治体に誘致できる

補助金を出す大きな理由の一つに「企業誘致」があります。

新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るったことで、近年、在宅ワークなど働き方の多様化が進んでいます。働く場所に縛られないため、地方に移住する人が増えたのです。

その結果、企業を招き入れるチャンスが、地方自治体にも巡ってきました。

企業がオフィスなどの場所を決めるとき、コワーキングスペースの有無は、非常に重要な判断の基準です。

信頼できるコワーキングスペースがあれば、企業の基盤を構えやすくなるメリットが生まれます。

移住者が増えることが期待できる

コロナウイルスの影響により、フリーランス、場所に左右されない、など働き方の多様化が促進しました。

地方でのワーケーションに止まらず、移住を考える人も増えています。しかし、場所によっては、通信環境が整っていないデメリットが存在しているケースもあるでしょう。

もし、Wi-Fi設備など充実しているコワーキングスペースがあれば、安心して仕事に取り組めます。

質の高い勤務環境が、移住のしやすさに影響して、移住者の増加に繋がるのです。

自治体が豊かになる

自治体の納税額は、企業や住居者が多いほど増加します。(企業は法人税、市民は市民税を納税)

自治体をよりよく運営していくために、税収は必要不可欠な財源と言えるでしょう。

企業や住民が定着してくれることは、安定した税収が見込めるようになることを意味します。そのため、補助金自体は自治体にとってマイナスになる出費ですが、時間がたてば確かな収入(利益)になってくれるのです。

自治体を豊かに発展させていくために補助金支給は、的を射た手法の一つとして考えられるでしょう。

今まであったコワーキングスペース関係の補助金・具体例(首都圏)

コワーキングスペースを出店するための補助金は、自治体ごとでさまざまです。

補助金支給の対象範囲や金額は、その自治体で異なるので、ネットなどで調べるといいでしょう。

ここでは参考として、5つの補助金を紹介します。

サテライトオフィス設置等補助事業(東京都)

東京都は、働き方の多様化促進を強く図っている自治体の一つ。テレワーク推奨を明言しているため、サテライトオフィスの設置は東京都にとってもメリットになるはずです。

企業や団体などが、23区以外の市町村地域にサテライトオフィスを新しく整備・運営する費用のサポートをしてくれます。
具体的な金額は以下の通りです。

  • 設備、改修費→2,000万円 (補助率は最大で、金額の3分の2まで) 
  • 運営費→600万円 (補助率は最大で、金額の2分の1まで)

東京都は家賃など生活費の高さから、郊外に住居を構える人も多いため、サテライトオフィスの必要性が高まっています。

参考:サテライトオフィス設置等補助事業(東京都)

宿泊施設テレワーク利用促進事業「テレワーク環境整備支援事業」(東京都)

東京都は、宿泊施設をテレワークで利用するための環境整備支援も行っています。

  • 消耗品費→デスク・椅子・プリンターなどの備品購入を補助します。 
    【補助金額】税抜単価1,000円〜10万円未満
  • 委託費 →テレワーク用の設備・備品などの設置費用、ネットなどシステム導入費を、3カ月以内まで補助。
  • 賃借料→システム機器や、VPNルータなどのレンタル料を、3カ月以内まで補助してくれます。  
    【補助金額】50万円または、対象経費の5分の4。どちらか低い金額を補助。

コロナ禍により、宿泊施設を利用する人が減っています。テレワーク用の施設として活用することで新たな需要を生むことは、企業にとってもメリットとなるでしょう。

参考:宿泊施設テレワーク環境整備支援事業(東京都)

サテライトオフィス設置補助金(八王子市)

本社や支店以外の勤務場所として役立つ、サテライトオフィス。

遠方でも会社同様働けるサテライトオフィスは、東京都から程よく離れている八王子市にとって、有益な施設です。

サテライトオフィスだけでなく、ミニワーケーション施設の出店も補助金対象で、

  • 工事費、施工監理費、建物・施設取得費
  • 賃借料、備品費、広告費  

などの補助があります。

補助金支給対象は、他の補助金を受け取っていない「単独型」と、東京都の「サテライトオフィス設置等補助事業補助金」も活用している「共有型」に分かれることも覚えておきましょう。

  • 「単独型」補助金額→2,000万円(補助率は全体の3分の2まで)
  • 「共有型」補助金額→サテライトオフィスコース:500万円(補助率は全体の6分の1まで)、ミニワーケーションコース:33万円(補助率は全体の6分の1まで)

参考:サテライトオフィス設置補助金(八王子市)

多摩市サテライトオフィス設置事業補助金(多摩市)

多摩市は都内と比べて、サテライトオフィスが少ない地域です。小規模のサテライトオフィスの普及を進めている地域でもあります。

ホテルなどの宿泊施設の客室を利用したサテライトオフィスなどがあり、非常に重宝されているのです。

  • 補助金限度額→300万円(補助率は全額の2分の1まで)
    【対象費用】
  • 工事費→事業に欠かせない整備や工事の費用
  • 委託費→施設整備・改修工事を委託する費用
  • 建物・施設取得費→施設の運営に必要な施設の購入費用
  • 備品費→施設の整備・改修で欠かせない備品購入の費用

宿泊施設の他にも、商業施設や店舗内のスペースに設置するオフィス形式もあります。

参考:多摩市サテライトオフィス設置事業補助金(多摩市)

サテライトオフィス体験支援補助金(栃木県)

栃木県では、東京や東京近郊にある企業を対象とした、サテライトオフィスの補助金があります。

1~3カ月間、栃木県内の施設を利用したサテライトオフィスが使えるのです。体験期間があることで、安心感を持ちながらオフィスの設置場所を考えられるでしょう。

【対象企業(フリーランス)】
・東京、埼玉、千葉、神奈川に事務所がある人

【補助対象経費】
・試験期間で入居する物件の賃借料
・施設環境の整備費 など

【補助金額】
・法人→20万円まで
・フリーランス→10万円まで

参考:サテライトオフィス体験支援補助金(栃木県)

コワーキングスペース関係の補助金の特徴

コワーキングスペースに関係する補助金には、特徴があります。特徴を知っておくことで、よりよい補助金の申請方法や使い方を考えられるでしょう。

ここでは、代表的な2つを説明します。

施設の新設の他、宿泊施設の改装で補助金が出るケースがある

宿泊施設の改装は、地域活性化や、まちづくりに大きく貢献する施策です。しかし、コロナ禍で需要が下がってしまった問題があります。

そこで自治体は、新型コロナウイルスの感染防止のための設備投資や、ワーケーションスペース設置にも補助金を給付するようになりました。

在宅ワーカーのリフレッシュ、自宅では家族がいて集中できないなどの悩み解消に、宿泊施設は最適です。

カプセルホテルの、上下2つの部屋を1つにしたデスクワーク用の個室改装など、さまざまな取り組みに補助金が役立つでしょう。

企業にも社員にテレワークをさせると補助金が出るケースもある

テレワークを導入するとき、セキュリティ環境の統制や備品への投資など、経済的な負担を考え実現に踏み出せない企業もあります。

社員1人ごとに補助金を出してくれるケースもあるため、金銭的な面で導入を躊躇している企業にとって大きな味方となってくれそうです。

派遣として勤務している労働者が、テレワークをする可能性もあります。そのときも社員と同様、補助金を支給してもらえるケースがあるため、一度しっかりと確認しておきましょう。

コワーキングスペース関係の補助金を探してみよう

コワーキングスペースの補助金や、自治体の内実などの知識に触れる機会が少ない私たちにとって、公的な機関への申請などは難しく感じます。

そんなときは、Webサイト「補助金ポータル」を活用するといいでしょう。実際の補助金や助成金について検索ができます。また、コラムなどで事例を詳しく確認することも可能です。

自分に合ったプロの紹介もしてもらえるため、対応に難しさを感じている場合は、気軽に活用してみてください。

まとめ

コワーキングスペースを活用することで、働き方の幅は、いま以上に広がります。時間や場所に縛られず仕事に取り組めることで、私たちの生活は豊かになるはずです。

ワークライフバランスを大切に日々を過ごすため、コワーキングスペースについて一度検討してみるのはいかがでしょうか。